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早朝4時40分、昨夜宿泊した元祖七合目山小屋「山口山荘(標高3010m)」の前です。本当は、山小屋内部や寝床の様子をビデオに収めたかったが、できなかった。ビデオを撮れる雰囲気でなく、憚られたのです。
登山シーズンのこの時期は前もって予約しておいたほうが無難。この日は宿泊にまだ余裕がある様子だったが、万が一満杯だったら断られ困ることになる。ほかに宿は無く野宿するか徹夜するしかない。ここは電話で予約でき、前金制でもなかった。一泊二食で七千円、ただし土曜日だったので千円アップだったと記憶している。到着が八時を過ぎていたので夕食は食べられなかった。朝食は弁当らしきものが出され、登山中に食べたが、イマイチ・・・。素泊まりなら五千円位なので、それで十分と思う。腹の足しになる菓子パンとかおやつ類を多めに持参すればよい。。 |
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宿の主人の話ではもう少し登った先でも五時過ぎに、ご来光が拝めるということなので五時前に宿を出発。
早朝の下界を眺めると、遠くに富士スカイライン、五合目の建物、六合目山小屋、新七合目山小屋ががかすかに見える。遠方の駿河湾方面はご覧のとおり薄雲がはっていて良く見えない。
長袖シャツに雨具を着込んでいるが、早朝のせいか少し寒い。しかし登っていくと体が暖まり、丁度良い具合になってくる。 |
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今登ってきた道、山口山荘の屋根が見える。宿のおじさんは大変親切でした。インターネットで、山小屋の人の態度が横柄で乱暴だという噂をいろいろ読んでいたが、そうでもなかった。
寝床は小さめで幅の狭い一つ布団に、大の男二人が寝る。左右の人が迫ってきて身動きできないような窮屈な姿勢で寝た。寝たり目覚めたり、ほとんど寝てない状態です。山小屋は寝るところでなく、体を横たえ休めるところだ、というのは本当です。朝方かなり気分が悪く、若干吐き気と頭痛がした。ちょうどバス酔いのような感じ。今日はどうなることやらと心配です |
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こんなゴツゴツした道が続く。砂礫の斜面が多く滑りやすい。
薄い酸素による高山病について、ネットで注意喚起していた。そこで前もって酸素缶を持参。スポーツ店で八百円位で売っていました。しかし登山中一度も薄い酸素で苦しいとか、酔い気がするいうことはなく、酸素缶は使わずじまいだった。
ただ酸欠による息苦しさを味わったのが、昨夜の寝る時です。目を瞑り寝ようとすると、軽い船酔いのような胸苦しさで眠れない。口を開けて深呼吸すると、胸苦しさも和らぐ。眠ろうとすると、口をつぐみ、鼻だけで呼吸をするので、ますます取り込む酸素量が少なくなることからくるらしい。 |
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早朝の伊豆半島方向。
遠くは雲でかすんでハッキリとは見えないが、こうした下界の眺めが疲れた気分を癒してくれる。
周りに何一つ視界をさえぎるものは無い。雲ひとつ無い日だったら、素晴らしい眺めが広がることだろうにナァ・・・。
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火山岩らしき岩場を登っていく。まだそれほど急な坂道ではない。まだ新七合目から元祖七合目のほうがきつかったかも。
靴はやはり、やや重みのあるどっしりした専用の登山靴に限る。登山靴なんて履くのは初めてで、こんな重いもの履いて登れるんだろうかと心配だった。しかし使って初めてわかった。このドッシリ感が登山には大切なんだナァと。運動靴のように素早く動けることより、安定感のほうが山登りには重要なんです。このシーズンになれば、スポーツ店で「富士山登山靴」なんてのも売っている。 |
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今登ってきた道。そんなに登山者はいない。
気温は大変気持ちいいくらい。風がビュービュー吹く。本来なら寒いくらいだろうが、登っている温かさに丁度よい。風の音で、ビデオの声が何を喋っているのか聞こえにくい。
昨晩の登りは膝が少々痛かったが、今日はなんともない。代わり心臓の鼓動が激しい。心臓の動悸が激しくなるほうが心配だ。心臓がドキドキしてきたら直ぐに休むようにしている。大体1分登って30秒休息する。
左右にあるロープが頼りです。ロープを引っ張りながら体を手繰り上げていく。これでだいぶ助かる。下山する人もこのロープを支えに降りていく。だから手袋も必要だ。
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逆方向を眺めれば、このような雲海が広がっている。これもまた良し、絶景かな・・・。
ビデオによると「こうやってビデオに喋っているほうが、口をつぐみ歯を食いしばって歩くより楽だ。しゃっべていると、口を開けるので酸素を吸収しやすくなるので楽なんでしょうか?」と話している。
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すっかり明るくなってきた。
ご来光は雲にさえぎられて拝めなかったが、山の稜線から一瞬チラッと見えたご来光。これで満足しとこう・・・。
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明るくなり陽が差してきた。気持ちの良いすがすがしい朝です。今日は時間を気にせずゆっくり登れます。
八合目までこんな岩場が続く。登る人より下山する人のほうが多いような。頂上で5時前のご来光を拝み、今下山中らしい。
この辺になるとビデオにはアッ、フーというため息しか入っていない。口数も少なくなっている。
登山道の両サイドには火山岩らしき大きな石ころがゴロゴロしている。蹴り落とさないように注意しないと。蹴り落とすと、途中に遮るものがないので何処までも転がっていきそう。昨年だったか、五合目の休憩所へ落石があり死傷者がでたとのニュースを思い出す。
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やっと八合目の山小屋が見えてきた。時刻は5時45分。元祖七合目から1時間弱かかった。
頂上はまだまだ遠い・・・。思った以上に富士山登山はきついナァ。
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